歴史書ガイアの伝説

書庫にて、「異世界GAIA」について書かれた、ある一冊の本を見つけた。
無作為にあるページを開くと、一つの大陸が目に飛び込んできた。
世界は四つの地域に分かれ、それぞれに名前が与えられていたようである。

一つは、エルトリア神聖王国。
古代神聖王国の流れを組み、大陸の南端を統治するこの国は、領土は小さいながらも独立を保っていた。

一つは、アルファリア。
大陸の中央を縦断する山脈の西側の大部分を統治するこの国は、貴族制であり、そして異世界GAIAにおいて、最大の領土を統治していた。

一つは、ガーラント。
大陸の東側の大部分を統治するこの国は、王制をとっていたが、絶対君主であったか立憲君主であったかは、今の私には解らない事である。

最後に、コルス地方。
大陸の最北端に位置し、無数の小国家群を抱える地方である。

ある時、エルトリア神聖王国において、A、Bに別れた政権闘争が発生する。
結果、A派はアルファリアに助力を求め、B派はガーラントに力添えを頼んだ。
アルファリアは、古くからの名門Z家が、「関わると世界を巻き込む戦いになる」との穏健派の言を退けて参戦。ガーラントでは、「関わると世界を巻き込む戦いになる」との穏健派の言を採用し、参戦を見送る形とした。
アルファリアとガーラントの穏健派同士の接触により、大国間の争いは収まり、エルトリア神聖王国では、A派を「無駄に世界を混乱させた」との罪により追放する事で、政権闘争を終了させる。
ここにおいて、異世界GAIAを震撼させた大戦(名前は明記されていない)は終焉を見る。しばらく、世界に平和が訪れたようである。

少し、ページを進める。

コルス地方において、バルシードという国家があった。
バルシードの指導者は大変優れた人物で、一代でコルス地方の大半を制圧した。
その後、バルシードはガーラントに進入し、バルシードとガーラントの戦線が勃発する。
これを機に、エルトリア神聖王国は、先の大戦時に協力を拒んだガーラントに対し宣戦を布告。
アルファリア(Z家)も、ガーラントに対して進入を開始し、ここに二度目の大戦(これについても名前は明記されていない)が勃発する事となる。

ガーラントが、滅びの時を迎えようとしていた時、バルシードにて異変が起こる。
バルシードの指導者が死亡したのだ。
覇権争いの後に、内部分裂を起こしたバルシードを尻目に、アルファリア(Z家)はガーラントを滅ぼし、その旧領土の中央部を制覇し、エルトリア神聖王国に進入を開始したのであった。

恐らくはこの本をまた調べれば、一つ目の大戦、二つ目の大戦とも、名前が明らかになることであろうし、バルシードの指導者の名前も、明記されている事だろう。
しかし、今の私には解らない。
これ以上の情報については、判明次第、公表していくものとしよう。