天秤

一秒でもいたいあなたの側
そこに他の人が立っていて
私が見られない仕草を見て
私の知らない言葉を交わす

右耳から入ってくる音がね
毒を撒きながら落ちてくよ
黒くて固い棘のかたまりは
大きくなりながら転がって
重く湿った霧は次から次と
心臓のところに溜まってく

優しい気持ちにしてくれる
あなたの声は聞こえなくて
ざらついた嬌声と笑い声と
それだけが耳から離れずに
また傷口を抉ってゆくから

倒れないよう壊れないよう
罵り憎んでバランスをとる
嫉み妬んでバランスをとる

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